メテオ「さぁーて! じゃあさっさと作るわよー! まずは前菜の〜・・・」
ムーク「ほ・・・、本当にお作りになるのですか・・?」
・・それから2時間程経ったでしょうか・・? 突然 メテオさんの家に電話が鳴り出しました・・。
メテオ「よぉ〜っし、これでケーキは完成っと・・・!」
ムーク「姫様、電話が・・・・、」
メテオ「今忙しいの! あんたがでなさい!」
ムーク「は、はぁ・・・ はい、風岡です〜・・。 ・・姫様! シュン様ですぞ!!」
メテオ「な・・、なんですってぇぇぇぇぇっっ!! は、早く代わりなさい!!
・・・も、もしもしシュン様・・。 わたくしは今ディナーを作ってましたの。」
シュン「ご、ゴメン! ・・朝にレコーディングがあるって言ったろ・・? それで今その会社にいるんだけど、
道路は渋滞してて、着いたのは予定より二時間遅れ。・・それに着いた早々録音の機械も壊れちゃって・・今直している所なんだ・・。
だから、今日一杯仕事を抜けられそうにないんだ・・・・・・。
それで・・悪いんだけど、ディナー、だっけ?・・また今度にしてくれないかな・・?」
メテオ「ええーっ!!?もう色々用意してさしあげたのに!?
・・じゃ、じゃあこうはなりませんの!? ”遅れたし、機械の調子が悪いので今日は延期ー”とか!」
シュン「・・それはオレも言ってみたさ・・だけど黒岩さんもCD関連の人もみんな”それは困る”の一点張り。・・誰もそんな事聞いてくれないんだ・・。
・・ほ、本当に悪かった。 この埋め合わせはまたいつかするから! じゃ!」
メテオ「ああっ・・・、ちょっと、お待ちくださいっっ!!」
ガチャッ、ツーツーツ・・・
ムーク「姫・・ 様・・・?」
メテオ「・・・・ あああああああああああああっっ!!!チクショオ、チクショォォォォ!!ヴゥルアアアアアアアッ・・!!」
メテオさんは感情を抑えきれず最近通販で買ったサンドバッグをものすごい速さで叩き始めました・・。
ムーク「姫様!?姫様ぁぁ!!」
同日 鎌倉市 白神総合病院
「・・・ふぅむ・・・。 非常に珍しい症状のカゼですねぇ〜・・。確か、昨日からせきがひどかったと・・?」
コメット「は・・・、はい。」
「多分・・、インフルエンザですね。とりあえず薬は出しましたし、明日には直ると思いますよ。」
沙也加「すみません・・。」
医者「肺炎だといけないので、血液検査と肺のレントゲン取りましょう。それで症状もつらそうですので、
今晩一晩とりあえず入院して、様子見ますか?」
沙也加「先生がそのほうがいいとおっしゃるんでしたら、そのようにお願いいたしたいと思いますが…」
医者「そうですか…、君、病棟大丈夫ですよね」
看護師「はい、大丈夫です」
医者「ええと、コメットさん☆…かな?、今晩ちょっと入院しよう。そのほうが早く治るからね」
コメット「げほごほ…、ええっ、に、入院ですか…?」
医者「そうしないと、病気重くなっちゃうよ」
コメット「はあ…。げほごほ… じゃあおねがいします・・」
医者「・・じゃいいね?。おかあさんは、一応必要なものをおうちから取ってきていただけますか?。
説明は看護師のほうからさせますから」
沙也加「はい…。わかりました。コメットさん☆、心配しないでね。ちょっとしたらもう一度来るから」
コメット「…はい。げほごほ」
医者「じゃ、とりあえず糖BC静注。あとキットで判定して…タミフルで…。レントゲンは大四つ、
血液CRP値見て…これと…これもか・・」
コメット「えっ!? あっ・・ 痛っ! ・・イタイイタイイタイ!! いやああああああああっ!」
医者「ちょ、ちょっと・・!動かないでください。 ・・君、この子を押さえつけて!」
コメット「いやあああああああ・・」
医者「・・では、これで大丈夫ですので、今日一日はこうしといてください。」
コメット「うぅ・・。(ちゅうしゃ・・、痛かった・・・。)」
医者「おっと。そろそろ交代の時間か・・。 では失礼。 交代の医者が来ますので、少々お待ちください・・。」
ラバボー「ひ・・、ひめさまぁ〜!!」
コメット「ら・・、ラバボー!! げほっ、げほっ・・・」
ラバボー「それで・・、カゼの方は・・?」
コメット「うん。注射を打ってもらったから、明日には直るって。」
ラバボー「そうかボ、よかった・・。 ・・でも姫様、やっぱり朝の事、まだ気に病んでるのかボ?」
コメット「・・・・ 行って、あげたかったな・・・。」
ラバボー「でも、今更あーだこーだ考えてもショーがないボ。姫様は今風邪を治す事だけを考えればイイんだボ!」
コメット「そ、そうなのかな・・? うっ眩しっ・・・」
そんな事を話している途中、突然まばゆい光と共にメテオさんが現れました。
・・が、そこまではよかったのですが、コメットさんが注射を打つときに少々暴れたせいか、床が荒れていたため、物に足を滑らせ、
メテオさんは360度回転してしりもちをついてしまいました。この登場には二人もア然。
メテオ「あーイタタタタ・・ もう!自分の部屋ぐらいちゃんと整理整頓しなさいよっ!」
コメット「ご、ゴメン・・。 で、何しに来たの・・?」
メテオ「き、決まってるじゃない。アンタが風邪で寝込んでるから
このわたくしがあんたの代わりのサンタ、やってやるって言いに来たのよっ!」
ラバボー「ふぅ〜ん、・・・どう言う風の吹き回しだボ?さっきまであんなに断ってたのに・・」
ムーク「実はシュン殿にディナーを断られてしまいまして・・ ケーキまで作ってらしたのですが・・・・。」
メテオフライングクロスチョップ!!
ムーク「ほぎゃあああああ!!」
コメット「ちょっ、な、何してんのメテオさん!?」
メテオ「ハッ!・・・ な、なんでもないったら、な・い・の・よぉ〜♪」
ラバボー(・・・・・ ムークさん可愛そうに・・・)
コメット「で、でも ほ、ホントにやってくれるの!?」
メテオ「も、もちろんよ! 任せときなさい!」
コメット「じゃ、じゃあコレ、幼稚園の子達の住所と、プレゼント。
いちおー名前とプレゼントは一致してるから。 あのこのサンタの服も持ってって。」
メテオ「え、ええ・・・」
ラバボー(ほ、本当に大丈夫なのかボ・・・・?)
ムーク「あう・・ あうううう・・・。(ほぼ瀕死。)」
*
そしてほとんどの子が寝入る午後10頃、メテオさん達はプレゼント渡しを始めました・・。
ムーク「しかし、よく受ける気になりましたね〜・・」
メテオ「なーにちょっと気が向いただけよ、余計な詮索しないでちょうだい。」
ムーク「左様ですか・・ ではまず近いところから片付けていきますか・・。」
メテオ「さっさと終わらせて寝ましょ・・・」
その後彼女らは街の子供達にプレゼントを上げてゆきましたが、
10人目を配り終えたあたりでメテオさんが根を上げたので近くの公園で一度休憩を取ることにしました。
メテオ「フゥフゥ・・ さすがにピッキングしながら子供達にプレゼントを上げるのは辛いわ・・
サンタって奴は良くこんな事やる気になるわねぇ・・・」
※犯罪です。 コレを見ているよい子は絶対にマネしないでね☆
ムーク「まぁ多分”ピッキング”では無いと思いますが・・・」
メテオ「まぁこの際手順はどうでもいいわ。
・・あら、隣のベンチにもサンタがいるわねぇ・・。」
ムーク「同業者でしょうか。ちょっと声かけてみたらどーです?」
メテオ「そうね・・ ねー、アンタも同業者?」
男「ん?あれま、君、その年でもう”泥棒”なんかやっとるのかね? たいへんじゃのう。じゃがあきらめちゃいかんぞ、まだまだ人生これから…」
メテオ「・・ん?何言ってんのアンタ・・ !!! ”泥棒”!? 今泥棒って・・」
男「(はうう!)じゃ、じゃあい、急ぐんで・・ それじゃ・・!」
メテオ「ちょっ、待ちなさいよっ、あらっ・・・」
メテオさんは男の持っていた袋にしがみつきました。
すると袋はビリビリと破れ、中から俗に言う金目の物が出てきました。
メテオ「なるほど・・あんたが最近巷でウワサのニセサンタって訳ね・・・・
あんたのような不届き者はこの私が天に代わって成敗してやるったらやるわ!」
男「ひいいいいい・・・」
メテオ「喰らいなさい・・ さまざまな護身術をいろいろパクって研究した、我流護衛術奥義をッ・・!!」
ああああああ・・・
「メテオさん・・、ちゃんとみんなに配ってくれてるかなぁ・・?」
「・・確かに、途中でふてくされてる可能性は十分あるボ。」
「・・・失礼します。」
ラバボー「わ!」
「は、はい! どうぞ!」
焦るわたし達をしりめに、そのお医者さんはわたしに近寄ってきました・・。
「・・・・熱は、だいぶおさまったようですね。」
「え? あ、はい・・・・・。」
「よかったですね。 これならあと何日かで退院できますよ。」
「あ、ありがとうございますデス。 あ、あの〜・・。 お医者さん・・・ですよね?」
「はい。・・とは言っても私はまだ勤務医ですが・・、ね。 ですが何故そんなことを聞くのですか?」
「・・なんていうかその・・、あなたはすばらしい輝きをお持ちだったから・・・。」
「あ、いやぁ・・・ハハハ。 そ、そうですか・・? えっと〜・・、あの。 ”かりめん”ってどういうことですか? お医者さんなんですよね?」
「あぁ、はい。一人前の医者を目指しているんですが、国家試験を通ってもまだまだ…。人を診るところまでは行きませんよ…」
「へぇ〜・・がんばってくださいね。 あ、そうだ。もうひとついいですか?」
「はい、なんでしょうか。」
「お医者さん、さっきわたしをみて、”すばらしい輝きをお持ちだった”って言いましたよね?
なんで分かるんですか・・? もしかしてどこかの星国のかた・・」
・・コメットさんはそのまま”星国の方ですか?”と言いかけましたが、 途中で言うのを止めました。
「ほしくに・・? まぁ、それは別として・・、 ・・人ってよく悲しい時でも外面では笑えたりするし、その逆もあるじゃないですか。
・・なんででしょうね。 それが、私にはよく分かるんです。 人の内面に潜む輝き・・、そんな感じでしょうか。 」
「は、はぁ・・・・・。」
トントントン、トントントン・・・
麻衣「ん・・誰・・? えっ、またサンタさん!?」
メテオ「ちょ、ちょっとこの窓開けてくれないかしら・・」
麻衣「ダメだもん!知らない人は入れちゃダメって言われてるからっ!それに・・ サンタさん信用できないもん・・」
メテオ「だいじょーぶ! 悪いサンタは捕まえてあげたから。 ホラッ!」
麻衣「あっ、この前家に来たサンタさん!」
メテオ「さ、いろいろ拷問道具もって来てあげたからコレで好きなだけウサ晴らししなさいったらしなさい★」
麻衣「いや、それは・・ ちょっと・・」
メテオ「ま、いいわ、それよりもう中に入ってもいいかしら?」
麻衣「うんっ!入って!」
メテオ「はいっ、あなたへのプレゼント。 ごめんね遅くなっちゃって。」
麻衣「んーん!そんな事全然気にしないもん、ありがとう!サンタさん。」
メテオ「フフッ・・ じゃあね。一応あなたで最後だったから。」
麻衣「・・・ 待って、名前・・聞いていい?」
メテオ「・・秘密。知りたかったら、もっと大人になる事ね。 じゃ。」
麻衣「さ、サンタさぁーん、行かないでぇ・・・」
ムーク「なぜ、教えて差し上げなかったのです・・?」
メテオ「ひ・み・つ! ファーア・・ 眠い・・ さ、帰るわよ。っと、その前にこの悪党を警察に突き出さないと・・」
ムーク「は、はいっ!今すぐに・・!」
*
「・・・・ほう、それでわざわざこのワシを呼んだ・・とな? コメット。」
「うん。 ・・せっかくわたしの代わりにサンタビトさんをやってくれたお礼。 ・・ちょっと会社の人には悪いかもしれないけど。
それが一番いいと思うから。 ・・お願い、”おとうさま”・・。」
「・・いやいや、姫の頼みじゃ。・・まかせておきなさい。」
そしてニセサンタを警察に突き出した後、メテオさんは家にかえるなりスグに寝てしまいました。
それからどれくらい経ったでしょうか、突然メテオさんは何か聞き覚えのある声に起こされ目を覚ましました・・。
「・・さあ、おきて。君にプレゼントをあげよう」
メテオ「あなたは〜・・もしかしてサンタさん・・・?ま、まさか!」
「・・そうじゃ。君に会って欲しいひとがいるんじゃ。さあ、こっちへ」
メテオ「あって欲しい人・・・?」
「・・・もう分かっておるじゃろう・・? ”彼”じゃ。」
メテオ「・・・! で、でも彼は、今・・」
「・・・ほっほっほ、サンタに不可能はありゃせんよ。 ・・ほれ、窓の外を見てご覧。 ・・お待ちかねじゃぞ〜・・彼が。」
メテオ「・・・!?!?!?」
ラバボー「・・ 姫様ぁ これでよかったのかボ・・?。」
コメット「私はこれでいいと思うな。 だって見てよあの二人の幸せそうな顔・・。さ、私達も病院に戻らないと。 みんなが心配しちゃう。
・・あ、けっこう風邪の具合もよくなってきたみたい。」
ラバボー「ま、まっさかぁー!? ま、でも早く寝るのに越した事は無いのは確かだボ。」
コメット「じゃ、さっさと帰ろう。 あっ雪! あした積もるかなぁ・・」
*
「・・昨夜未明、サンタ強盗が逮捕されました。なお犯人は
”緑色の髪をした12,3歳前後の少女に突然襲われ、気がついたら捕まえられた”と話しており、
警察はそのお手柄な少女を見つけ次第感謝状を送りたいと話していたそうです。」
亜衣「わーい!トワールバトンもらったーっ!」
太一「ぼく、お菓子の詰め合わせもらえたー!」
パニッくん「・・ゲゲッ!この無線機壊れてるぅ・・」
麻衣「ねー先生私ねー、サンタさんに会ったんだよーっ!」
有紀先生「へーっ、どんなひとだったのかな?」
麻衣「へへへーっ、ひみつ!」
亜衣「ねーどんな人なの教えて教えてーっ!」
・・と、こちらはメテオさんタのおかげで(一部を除いて)子供達はみんなご満悦。 ・・しかし、当の本人は・・
メテオ「・・な・・なんでなの!?なんでなのったらなんでなのー!?
・・なんでこの私が風邪をひかなきゃいけないのー!? ・・ハークシュン!!」
ムーク「姫様・・あまり叫ぶと心と体に毒ですぞ・・」
メテオ「んも〜〜〜っ!!!! ・・うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!!!!!」
ムーク「ああああああ・・・ あ・・。」
終。
わかめ新聞を立ち上げる為に作った最初の作品。 (と言っても、修正前のはラスカルさんのところに置かせてもらってますけど)
・・本当はもっとマニア要素の多い内容になってたんですが、せっかく出すので
色々伝えたい事を追加し、マニア要素を減らしてみたんですが、どうだったでしょうか。
個人的には後半、メテオさんが某格闘マンガの関節技を決めたり、”拷問道具もって来てあげたからコレで好きなだけウサ晴らししなさいったらしなさい★”
って所がものすごく好きなんですけど。
自分なりには上出来かなと思うんですが、後半のシメが全然ダメだったの少し残念です。
まだまだ輝きの求道者さんの小説にはぜんぜん及ばない・・・
ちなみにこの駄文を作るにあたって、輝きの求道者さんにはずいぶんお世話になりました。
この場を借りてお礼をさせていただきます。
・・と言うわけで初版(一昨年前のクリスマス)から一年経った今、話の展開やある程度の補足や、新キャラの登場など、
大幅に加筆修正を加えてみました。 ・・さらに読みにくくなったかもしれませんが。
ちなみに、”白神総合病院”という名前を使ったのは、にせ逆裁第三章につなげる意味もあってのことなんです。
・・コレを読んだ後に第三章を読んだほうがいいかな〜と。
まぁ、とりあえずはこんな感じでしょうか。・・かなり勢いで書いた部分ばかりなのですが、なかなかよい出来かな、と思います。
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