KARUTA 〜何にせよやるからには全力で向かわないとダメ〜


 お正月。空には様々な形のたこが空に上がり、家の前では門松やお飾りが飾られ、着物を着た子ども達が羽根突きなどに興じ、 家の中ではコタツの上ででんと積まれたおせち料理に舌鼓を打ちつつ、かるた、百人一首などでわいわいがやがやと楽しむ……、 というのは今や昔。今やお正月と言う年中行事は、まぁ、子ども達に限ったことではありますが、 単なる”おせち料理を食べ、親・親戚等からお年玉をもらう”という味気のないイベントに成り下がっています。 たこ、羽根突き、独楽回し、百人一首、かるたと言ったような伝統的な遊びは姿を消し、子ども達はいつもと変わらず、TVゲームに興じる始末。 それは、田舎の家を除けばどこも同じようなものなのでしょう。 しかし、そこに……、あえてその消えてしまいそうな伝統的な日本の遊びを行おうとする輩がいました。  「彼女」は、1月の寒い中、紺色のコート、紺色のマフラー、紺色のニット帽、茶色の暖かそうなブーツを履き、ほとんど紺色で統一した服装で完全武装し、 どこかの家を目指してすたすたと歩いてゆきます。 「………うぅう。寒い……。寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒いぃいいいいいい!!」 「ひ、ヒメ様…そう「寒い」と連呼なされましても、ムークめにはどうすることも出来ませぬ。」 「わ、分かってるったら分かってるわよ!あんたに頼んだってどうしようもないってことぐらい!」  それは…メテオさんでした。何故かは分かりませんが、寒い中すたすたと、重くはないが軽くもない足取りでどこかに向かっているところです。 「しかし…ヒメ様。わざわざこんなことのために、寒い中出向くとは……、大丈夫ですか?」 「ふ、ふふふふ…。大丈夫ったら大丈夫よ!「これ」さえ、コメットの家に持って行きさえすれば…おほ、おーっほっほっほ!」  メテオさんはコートの中から、なにやら大き目の長方形の箱を取り出し、寒い中高笑いしました。 心なしか、その箱は緑色の光を放ったように見えます。 「し、しかし…全然着かないわ。ムーク、道はこっちで合ってたはずよね?」 「えぇ。それは寒くて足が思うように動かないのが原因なのではないでしょうか。あの、今更だとは思いますが…お乗りになりますか?わたくしめに。」 「じょ、冗談じゃないわったら冗談じゃないわ!地面を歩いていてこれだけ寒いのよ!?あんたに乗って飛んだら…あぁ、考えたくもない!」 「なるほど。ではもう一つ。何故お車でお出にならなかったのですか?あのお二人なら喜んでヒメ様を」 「そっ、それは…せ、せっかくのお正月ですもの。正月ぐらいわたくしの都合で振り回すのはやめてあげたいと思って……。」 「…はぁ。」 「!な、何よったら何よムーク、その顔!何!?わたくしがそういう事を言ったのがそんなに不思議だっていうの!?」 「いえ!あの、その…むぎゃあああああああああ」  ムークは、「あぁ、ヒメ様にも人の事を気遣う優しさがキチンと根付いているのだなぁ」と、頬を引っ張られつつ感じていました。
「あけましておめでとーございまーす」 「ことしもよろしくー!」 「あ、あけまして…」 「…おぉ、おぉ。元気があって実に結構。あれ?コメットさんは…ちょっと、元気ないかな?」 「あ、ご、ごめんなさい。」  こちらは藤吉家。ツヨシくんとネネちゃんの新年を祝う大きな声と、それに押されてちょっと元気のないコメットさんの声が家の中に響きます。 「どうしたの?ツヨシとネネに圧倒されちゃった?」 「え、えぇ。ちょっとだけ。」 「ダメだよコメットさん。藤吉家憲法えっと…ま、いいや!楽しむ時は全力でわいわい楽しもう…だよ!」 「だよ!」 「そ、そうなんだ。じゃあ失礼して…すーっ。」  コメットさんは息を大きくすーっと吸いました。景太朗パパと沙也加ママはコメットさんがなにをしようとしているのか直感で気づき… 「ちょっ、コメットさん!確かにさっきは元気がないって言ったけど…。」 「そ、そ、そ…息を大きく吸ってまであいさつしなくてもいいから!ね?」 「すーっ、げほっ、げほっ。…ご、ごめんなさい。」 「まったく…元気がいいのは結構だけど、少しは近所の事も考えろよな。」  コメットさんは大きく息を吸った直後に寸止めされたので、少し咳き込んでしまいました。 しかしそこでコメットさんはある異変に気づきます。景太朗パパ、沙也加ママの声だけでなく、他の人の声も聞こえたのです。 コメットさんは驚いて玄関につながるドアの方に視線を向けます。 「…?あ!け、ケースケ!」 「え?ケースケ?お前、いつからここに!」 「あ、師匠。あけましておめでとうございます。いつからって…チビたちが新年の挨拶を言っている辺りからですけど。」 「そ、そうなのか…。あけましておめでとう。」 「ねぇ、ねぇ。パパ、ママ〜。」 「ねぇ、ねぇ〜。」  そんな中、ツヨシくんとネネちゃんは景太朗パパの服の袖を引っ張って、何かを聞こうとしました。 「ん?どうした?」 「あいさつも終わったんだしさ〜、あ・れ。」 「そうそう!あ・れ。」 「あれ?知らないなぁ。」 「んもー、パパ!わかってるくせにー!」 「くせにー!」  二人は景太朗パパのほうを向いて両手を出しました。 「ははは。ごまかそうとしても無駄か。…ママー、じゃあ持って来てくれるかな?」 「はいはい。」  沙也加ママは、ポケットからポチ袋を三つ取り出しました。 「はい。ツヨシと、ネネと、コメットさんの分。」 「うわーい!やったー!」 「ママー!ありがとー!」 「え、えっと…わたしも…いただいて…、いいんですか?」  沙也加ママはにこりと微笑むと、こう返します。 「ふふっ。ホームスティとはいえあなたもうちの子ですもの。いいにきまっているじゃない。」 「あ…ありがとうございます。」 「…………。」  コメットさんはその一言に少し感動しながら、ぺこりとお辞儀しました。 そして、その様子をケースケは少し羨ましそうな表情で見つめます。 「ケースケにーちゃん、どうしたの?」 「あ…いや…。なんでもねぇ。」 「あ、わかったー!ケースケにーちゃんも欲しいの?お年玉。」 「馬鹿言え。俺は一応働いてるんだから、別にいい。」 「そ、そうなの?」 「そう。」  ケースケはそっけない態度で二人に言います。景太朗パパはケースケに言います。 「そうだな。お前の両親は……。なんか悪いことしたかな、誘って。」 「いえいえ。俺は見ているだけで。…それに、両親、じゃないっス。親父だけが。」 「あ、そうだったな。…まぁ本当に何も用意してないんだけど。」 「…そっすか。まぁ、それはそれとして。…ほら、チビたち。俺からもお年玉。…言っておくが中身について期待はするなよ!」 「やったー!」 「ケースケにーちゃんきもったまー!」 「ツヨシくん、それを言うなら、『太っ腹』、だよ。」 「ねー、早く早くー。」 「ほらほら。そんなにあわてない。は……。」  ぴんぽーん。彼女達がお年玉を貰おうとした瞬間、呼び鈴のベルが鳴りました。沙也加ママがドアを開けます。 「はいはーい。……あら。」  沙也加ママがドアを開けると…そこには誰もいませんでした。 「…あれ?誰もいないわ。ピンポンダッシュかしら。」  沙也加ママは不思議がり、扉を閉めようとします。しかしそこで、自分の足元近くに誰かが倒れているのが見えました。 「う、うう……寒い…ダメ…限界…。」 「…きゃあ!あ、あなたは!ちょ、ちょっと!みんな、みんなー!」  そこに倒れていたのは、メテオさんでした。どうやら藤吉家に着いたあたりで、寒さにやられてしまったようです。 沙也加ママはみんなを呼んでメテオさんを家に運び込みました。メテオさんは毛布に包まり、暖炉の側でぶるぶると震えています。 それから少しして、メテオさんがまともに話が出来るほど回復したあたりで、コメットさんはメテオさんに聞きます。 「メテオさん…どうしたの?」 「ぶるぶるぶる…。あ、そ…それは…。そ、そうよ!そうだったわ!」 「??」 「これよ!これよったらこれよ!」  メテオさんは毛布を跳ね除けると、コートの中から冒頭の四角い長方形の箱を取り出しました。 沙也加ママはそれをメテオさんから受け取ると、箱を開けて中身を見ます。 「これって…カルタ?」 「そう、カルタよ!カルタなのよったらカルタなの!」 「でも、なんでカルタを?」  コメットさんはメテオさんにそう聞きました。メテオさんは言葉に詰まります。 「あ!え、えぇっと…そう、そうよ!せ、せっかくのお正月ですもの!あなた方にこのカルタで楽しんでもらおうと思って!」  メテオさんは少し考えた後、焦ってそう言いました。皆、少し不思議がります。 「まぁ。わざわざそんなことのために?」 「でも…カルタだったらうちにだってあるんだけどなぁ。」 「!!(マズイわ!ここで断られたら…)こっ、このカルタは特別製のカルタで、と、とても面白いカルタなのですわ! き、きっと喜んでいただけると…!」  メテオさんは受け取りに応じないかもしれないと思い、持って来たカルタに”特別製”とつけました。 しかしそこで、ケースケが最もな質問をします。 「おい、ちょっと待てよ。とくべつせいって、どういうことなんだ?」 「!!!」  メテオさんはまたも言葉に詰まってしまいます。 「いいじゃない、ケースケ。せっかくメテオさんが持ってきてくれたんだし。それに、楽しそう。」 「うん、ツヨシくんカルタやりたーい!」 「ネネちゃんもー。」 「まぁ…こんな寒い中わざわざそのために来てくれたんですもの。」 「それも、そうだ。せっかくだしね。」 「………。」  ケースケ以外の皆は、別段あやしいとは思わなかったのか、素直にメテオさんのカルタを受け取り、 床にばーっとばらまきました。メテオさんは、彼らとは逆の方向を向いて、にやっと笑い、ガッツポーズをしました。 (ふふふふふ…。やったわ…!やってやったわー!これで、コメットとその他大勢は…ふふふ〜。)  メテオさんはなぜか、勝ち誇ったようにこっそりと笑いました。しかし、ここで予想外の出来事が彼女に起こったのです。 「さ、メテオさんも一緒にやろ。」 「えっ!?わっ、わたくしは…見ているだけで…。」 「そんな事言わないでー、やろうよ。ね?」 「そうだよメテオさん。」 「え、え、えぇえええええ」  なんと、藤吉家の面々がメテオさんもやろうと呼びかけてきたのです。彼女は必死に断りますが、 断る理由があるはずもなく、メテオさんはずるずると参加することとなり、座布団の上に座る事になりました。 (ば、馬鹿な…!このわたくしまでも…まずい、まずいったらまずいわ!なにせこのカルタは……、 絵札に書いてあることが現実に起こるカルタなのだから…!
「さて、と。みんな座ったかい?じゃあ始めようか。」 「よぉーし!やってやるー!」 「ネネちゃんもネネちゃんもー!」 「…まぁ、しょうがねぇ。たまにはいいか、こういうのも。」  皆、やる気マンマンでばら撒いたカルタの周りに座りました。誰もが楽しそうにしている中、なぜかメテオさんだけががくがくと震えています。 「(ま、まずい…まずいわ!なんでわたくしまでも!こんなの、予想外ッ!何としても逃れなくては…) わ、わたくし…きゅ、急用を思い出しましたわ!し、失礼させていただきま」 「まぁまぁ、いいじゃない。お家の方にはご連絡しておいてあげるから。」 「(よ、余計な事を!)……………わ、わかりました、わ。」  メテオさんは逃げられないことを確信すると、気のない声で、皆の近くに座りました。景太郎パパが読み手となり、読み札を取ります。 「よーし、じゃあ始めるぞ。えっと、最初は〜…『あけまして 落とし玉』……落とし玉?」   カルタに書いてある語句に少し困惑する景太朗パパ。しかしそんなことをよそに、皆語句の書かれた絵札を探してきょろきょろとしています。 そして、ぱんっという軽く床を叩く音がしました。絵札を取ったのはツヨシくんでした。 「やったー!ツヨシくん絵札とったー!」 「うー、くやしー!」 「やったね!すごいよツヨシくん。」 「えへへ〜……ん?」  皆に悔しがられたり賞賛の言葉を受けたりして喜ぶツヨシくん。しかし、彼の頭上に突然丸い黒い影が現れました。 「……………いたっ!!」 ツヨシくんが驚いて上を見ると…、サッカーボールぐらいの大きさの黄色いゴムボールがツヨシくんの頭上に落ちてきたのです。 ゴムボールはツヨシくんの額に当たり、ぽよんぽよんと跳ねて転がっていってしまいました。 「い、いたーい!」 「ツヨシくん、大丈夫!?」 「う、うん…だいじょうぶ。」  ツヨシくんは目に涙をためて痛そうにしていましたが、コメットさんに声をかけられるとガマンして答えます。 「なんだ…今の?」 「ボールが…落ちてきた…わよね?しかも、室内なのに。」  皆、何故ボールが落ちてきたのかを確かめるべく、辺りを見回します。しかし、天井に穴が開いているわけでもなく、 またボール自体も何故か消えていたので、理由は分からずじまいでした。 仕方がないので、偶然だと前向きに考えて続ける事にしました。 「よぉ〜し、次。『にいさん にこにこ にんじんたべる』。」 「えぇ〜っと…。はいっ!」  ぱんっ。またも軽く床を叩く音が部屋中に響きます。次に取ったのはネネちゃんでした。 「やったー!とれたとれたー!」 「すごいすごーい、やったねネネちゃん。」 「ありがとーコメットさん。でも…へんなの。にんじんたべるって…、ん!?」  ネネちゃんは喜びつつも、男の子がにんじんを食べている絵の描かれた絵札を見て不思議そうな顔をします。 そして、その疑惑は現実のものとなりました。台所の方から、何かが飛んでくるのです。 「あれ?なにかとんで…え、えぇええ」 「どうしたの…え、えぇえええええ!?」 「う、うそ…うそでしょ!?」  飛んできたのは…細切れになった生のにんじんでした。食べやすいサイズに切られており、ネネちゃん目掛けて飛んできます。 「うわああああああああああ…あうっ!!」  にんじんはネネちゃんの口の中へとどんどん入ってゆきます。ネネちゃんは一口かんでその味に恐怖し、 残りはかまずに飲み込みました。しかし、細切れになったにんじんはさらに数を増して飛んできます。 とうとうネネちゃんはそのにんじんを食べきる事ができなくなり、にんじんをほおばりながら気絶してしまいました。 「う、うわああああああ…に、にんじんが…にんじんが………!」  ネネちゃんは仰向けに倒れたまま、うわごとのようににんじん、にんじんとつぶやいています。 皆、突然どこからともなく飛んできた細切れにんじんに驚き、言葉がのどのあたりで引っかかって、出ないようです。 少しして言葉が出てくるようになったあとも、出てくる単語は疑問と恐怖ばかりでした。 「な、なんだ!?何が…起こった!?」 「ネネちゃんのくちに…にんじんが……!」 「さっきのツヨシのときも落とし玉と書かれていてゴムボールが、今のもにんじんと書かれていて細切れのにんじんが…。 ま、まさか!このカルタに書かれていることが!?」 「ぎくっ!」  それを聞いた瞬間、メテオさんは声に出してぎくっ、と言った上で冷や汗をかいてしまいました。しかし、誰にも気づかれてはいないようでした。 「ぱ、パパ…じょ、冗談はよしてよ。そんな、カルタに書かれていたことが現実に起こるなんて…、 ファンタジーやメルヘンの世界じゃないんだから、あるわけないわ。」 「そ、それもそうだよなぁ…。」  ファンタジーやメルヘンの世界にカルタは出ないというつっこみは置いといて、大人二人はその事実をありえないことと認識しました。 ネネちゃんは気絶していますが、他の人は多少落ち着いてきたので、カルタを続ける事となりました。 「よ〜し続けるぞ。えっと…『ししまいさん うちでおどってくださいな』。」 「はいっ!」  ばたっ。今までよりも少し強めの音で床を叩く音がしました。取ったのは、コメットさんです。 「やったー、とれたとれたー!」 「コメットさん、やったね!」 「…ふん。」  コメットさんはカルタがとれておおはしゃぎ。皆よかったねと声をかけますが、ケースケだけはなんだか変な感じ。 しかし、そんな事は次の瞬間、彼らの脳裏からすっかり忘れ去られてしまうのでした。 どたどた、ばたばた。ちりん、ちりん。廊下の方からなにやら不思議な音が聞こえます。 景太朗パパは怪しんで、リビングと廊下を繋ぐドアを開きます。 「なんだ…?いいいぃいいっ!?」  どたどた、ばたばた。ちりん、ちりん。景太朗パパがドアを開けた瞬間、何かが皆のいるリビングの中へと入ってきました。 唐草模様の布で体を覆い、赤色で怖いけど、どこかあどけない顔、首につけた大きい金色の鈴。それは獅子舞の獅子そのものでした。 「う、うわあああああ!!獅子舞が!獅子舞が!」 「うわあああああああああ」 「ちょっ、あの!誰だか知りませんけど…やめてぇえええええ」  獅子舞の獅子はひとしきり部屋の中で大きな音を出して舞った後、再び開いているドアの方へ去ってゆきました。 皆、次から次へと出てくる不可思議な現象で大混乱。そんな中、この事態の張本人メテオさんは、青い顔をして焦っていました。 (ま、まずいわ…ここまできたら何が何でもこのカルタのせいだと思い始めてしまう…。そうしたら彼らの矛先はわたくしに…。 …なんという大誤算なのかしら!彼らにこれを渡してここを出て、それから外で慌てふためく様を眺める算段だったのに…! と、とにかく…ここは逃げる…しか!)  そんな事を考えていたメテオさんは、皆が困惑する中、すっくと立ち上がりました。 「あ、あぁ…あの〜…。わ、わたくしちょっとトイレに…。」  メテオさんは消え入りそうな声でトイレに行く旨を告げました。 しかし、困惑しきっている皆はそれを右耳で聞き、左耳に流れていくというような状態でした。 メテオさんは自分を別に気にしていないことを確認すると、ドアから出ようとします。 するとそこで、コメットさんがメテオさんに声を掛けました。 「あ、メテオさん。…トイレまで、わたしもついていくよ。」 「え!?いいわったらいいわよ!」 「まぁまぁ。…少し聞きたいこともあるし。」  コメットさんはぼそっとそういいました。その一言で少し背筋に寒気を感じたメテオさんは、コメットさんと一緒にトイレに行く事を承諾しました。 二人は廊下に出て、誰も聞いていないのを確認すると、廊下の端のほうでひそひそと話を始めます。 (…メテオさん…。あれ、星力でしょ。) (…………。) (黙ってないで答えてよ。あんなこと、星の子たちの力を借りなきゃできないはずだもの。) (……………そ、それは…その。そういわれればたしかに…そうだけど。) (やっぱり。…なんでこんなことをしたの、メテオさん。) (それは…その。)  コメットさんはやんわりとした口調でメテオさんに問いかけます。メテオさんはさながら親に叱られる子のような思いでした。  (とにかく!早く元に戻してよ。ネネちゃんなんかにんじんで気絶しちゃったんだよ!) (えっと…その。一応、そんな深刻なものはないはず…だから。そ、それにこれ… 一度始めたら終わるまで抜けられないようになってるから…。) (えぇええ!そ、そんなぁ…どうにかならないの?ツヨシくんたちはいいにしても、ケースケや景太朗パパさんにはどう説明したら…。) (う…ご、ごめん…なさい。)  メテオさんはようやく自身が行ったことが悪いと認識したのか、コメットさんにさらに小声で謝りました。 コメットさんは少し考えた後、メテオさんの肩をぽんと叩いて言います。 (うん、わかった。とりあえず、どうにかする方法を探そう、ね?) (え、えぇ…。)  二人はうなずくと、部屋の中へと戻りました。そこで彼女達を待っていたのは…。 「うわあああああ!!!目が、目がぁああああ回るうううううう」 「パパ!どうしたの!パパ!」 「う、う、う、ぅ〜…ん。」  彼女達が部屋に戻ると、景太朗パパが右足を軸にしてくるくると回っていました。 とても気持ち悪そうな顔をしていましたが、時間が経つにつれ少しづつ回転の速度は遅くなり、数分ほどでばたーんと倒れました。 彼の手には『こままわし 目が回って きもちわるい』と書かれた絵札が握られていました。 「ちょっと!コメットさん、メテオさん!これ、一体どうなってるの!?」  沙也加ママも、さすがにこの奇異な現象の起こる理由に感づいたのか、二人に問いただします。…コメットさんは関係ないのですが。 メテオさんは、コメットさんの助言を借りつつ「これはハイテクの力で作られた最新鋭のカルタで、絵札を取るとそこに書かれている事柄が、 バーチャルの力だとかそういうものを使って、現実に起こるようになる」と言い、強引にまとめさせました。 それを聞いた沙也加ママ、ケースケ、途中から気がついて立ち上がった景太朗パパは、少し考えた後、 「じゃあ、どうして今までそれを言わなかったんだい?」 「も、もうしわけありませんわ!あ、あなた方にびっくりしてもらおうと思って…。」  そのとき、”本当はあなたたちにだけやらせるつもりだった”という言葉が喉の辺りまで出掛かりましたが、なんとか押しとどめました。 「あのなぁ、もうビックリだけじゃすまないだろ!チビたちもそうだし、師匠だって…」 「まぁ、まぁケースケ。あんまり女の子を責めるものじゃないだろう。言わなかった彼女も悪いけど、彼女も彼女の考えがあってこうしたんだろうし。」 「え!?あ…う…そ、そうですわ!と、とにかく申し訳ございませんでした!」 「なんだか…目が泳いでるぞ。」  メテオさんはしどろもどろになりながら謝ります。皆それで一応は納得しましたが、ケースケだけは疑いの眼をメテオさんに向けたままでした。 「じゃあ、次のを読むぞー。えぇっと、おあついね ひとめをきにせず…」 「はい、とった!」  次のカルタを取ったのはケースケでした。ケースケはバンと音がする勢いをつけて手を振り下ろしました。 「わぁ!ケースケ早ーい!けど、なんか大人気ない。」 「うん。ケースケにーちゃんおとなげない。」 「おとなげなーい。」 「う、うるせぇな!勝負の世界はそんな甘いもんじゃねぇんだよ!」 「それはそうとケースケ。なんて書いてあるの?それ。」 「これ…か。えっと、おあついね ひとめをきにせず…あついキス……き、きすぅうううう!?」  ケースケはカルタに書かれている句を読んだ瞬間焦りました。普通は別にキス、と書かれていたところでだからどうした、 という程度の反応でしょう。しかし、このカルタは前述の通り、書かれていたことが現実と化すカルタなのです。 ケースケは叫んだ後真っ赤になって、辺りを怪しい挙動で見回します。 (こ、こ、これは…。今までの事と同じだとすると…やっぱり……だよなぁ…き、キス、キスだなんて……。 誰だ?ツヨシか?ネネか?あの緑の髪の子か?それとも………。)  ケースケはそこまで考えたあたりで、コメットさんのほうをチラッと向きます。視線が合ったコメットさんもどきっとしてしまいます。 (ま、ま、まさか…ない、ない…ないよね。け、け、ケースケと…チューなんて……うぅ、わあああ) (こ、これは…まさか、あのカリカリ坊やとキス!?い、嫌!嫌よ!わたくしには瞬様というれっきとした…あぁあ) (け、ケースケにーちゃんと…。ぽっ。) (けっ、ケースケにーちゃんと…うぇえ。)  皆、思い思いの事を考えて落胆してしまいます。そしてそんな中、ケースケがすっくと立ち上がりました。 いや、”立ち上がらされた”とでも言い換えるべきなのかもしれませんが。 「う…ッ!か、体が勝手に……(ど、どうなる!どうなるんだ…!?)」 (き…来た………ッ!)  皆、何かを覚悟し、ケースケの動く方向を凝視します。しかし、ケースケの向かう方向は、彼女達の想像をはるかに超えたものだったのです。 「(………ちょ、直線状にいるのは……)げっ!!」 「!!」 「!!!」 「か、カリカリ坊や!?」 「ケースケ!?!?!?」 「へ……ぼ、僕!?」  ケースケがキスをしようと向かったのは…、コメットさんでもメテオさんでもツヨシくんでもネネちゃんでもありませんでした。 それはなんと、読み手の景太朗パパだったのです。 「ちょっ!おい、待てケースケ!やめろ!!」 「む、無理ッス!俺にはどうしようもないんですよ!師匠、早く逃げてぇええええええええ!」 「馬鹿!やめろ!嫌だ!勘弁してくれ!」 「無理無理無理無理無理ぃいいい!!たぁあああすぅうううけぇえええてぇええぇえええええ」 「ぱ、パパが!パパがああああああああ!!」 「いやああああああああああああああ」  …この騒動直後の藤吉家リビングは、まさに阿鼻叫喚を絵に描いたようなものでした。男二人が悶絶して倒れ、 残った女性陣と小さな子どもは目の前で起こった惨状をキチンと理解することができず、ただただ震えて悶絶した二人を見ている事しか出来ませんでした。 それから30分ほど。ようやくある程度落ち着きを取り戻した残りの人々は、ちゃんとカルタを終わらせるため、また位置につきました。 悶絶してこれ以上続けられそうにないケースケと景太朗パパはリタイアし、代わりに読み手は沙也加ママが務めます。 ですが、その前に沙也加ママはメテオさんに聞きます。 「ねぇ。…これは…どういう…こと?」 「機械の力ったら機械の力よ!」 「そうそう!『はいてく』なんです、はいてく!」 「なんでコメットさんまで?」 「え!?あ、その…別に!」 「………。」  沙也加ママは不信感を抱きつつも、二人の溢れんばかりの(作り)笑いを見て、ふうとため息をつくと、カルタの読み札に手を伸ばしました。 「まぁ…二人がそういうなら。じゃ、いくわよ。えっと……。」  沙也加ママは何を読もうかと読み札を選んでいます。選んでいる最中、ツヨシくんとネネちゃんがメテオさんに話しかけてきました。 「ねぇねぇ、メテオさん。一枚もとってないね、カルタ。」 「!い、いいじゃない。取るのも取らないのもわたくしの勝手!(っていうか、取ったら酷い目に!取れるわけないじゃない!)」  メテオさんは取ったときの恐怖ゆえに読まれても、たとえ見つけられてもカルタに手をつけようとはしません。 しかし二人は、そこでメテオさんにこんな言葉をかけたのでした。 「ふ〜ん。メテオさん取れないんだぁ。ツヨシくんたちが早いからー。」 「なっ!?」 「ツヨシくんだめ!本当のこと言ったら。メテオさんしょぼ〜んって…。」  ツヨシくんはそんなメテオさんに『挑発』をしました。悪気があったのかどうかは分かりませんが。 ネネちゃんもそんなツヨシくんをたしなめつつも、やっぱりひどい一言を言っています。 そんな二人の言動に、メテオさんの怒りは爆発します。 「な、な、な、な、な、な、な、な…なぁんですってぇえええええ!」 「うわああああ!メテオさんがおこったー!」 「ね、ネネちゃんは別にわるくないよね?ね?ね?」 「…いや、二人とも悪いと思うよ。そりゃ、ずっと手をつけなかったメテオさんもどうかと思うけど…。」  コメットさんは二人に悪い、と諭しつつも、メテオさんの姿勢を軽く批判しました。 そんな三人の態度が癇に障ったのか、メテオさんは逆上し、こう言い放ちました。 「いってくれるじゃないのったらいってくれるじゃないの!いいわ!やってやろうじゃない!…ちょっと、そこのあなた!早く読んでちょうだい!」  メテオさんは沙也加ママを”あなた”と呼び、早く読み札を読むように言います。沙也加ママは少し戸惑いますが、 すぐに読み札の中から一枚取り出して、読み上げる事にしました。 「わ、わかったわ。えっと…『福笑いで ひょっとこ顔』ですって。」 「そいやああああ!」  ばごん!メテオさんは鷹の目のような鋭い眼力で絵札を捉え、目にも止まらぬ速さと勢いで床を叩き、取った絵札を掲げました。 「う、わあああああああ!」 「め、メテオさん早すぎ…!」 「見えなかった…見えなかったよ、今の。」  皆メテオさんの神速の体技に驚くばかり。そんな彼らを見下ろしながらメテオさんは高らかに笑いました。 「おーっほっほっほっほ!見た?見たぁ?分かったかしらちびっ子たち。わたくしが本気を出せばこんなものですのよ!」 「す、すごい!」 「うん。すごい。さっきはごめんなさい。」  二人ともメテオさんの威を認め、非礼を詫びました。メテオさんはさらに高らかに笑います。 しかし、それと同時にメテオさんの顔にある変化が起こっているのに気がつきました。ネネちゃんが驚いてメテオさんに言います。 「…んん?め、メテオさん、そのくち…どうしたの?」 「おほ…へ?『くち』?……!あ、あ、ああっ!ひっ、ひっ、ひああああああ」  メテオさんは指摘されてようやく自身の体の変化に気づいたようでした。メテオさんの口はじょじょにとんがり始め、 とんがった口は突き上がってまるで鳥のくちばしのようでした。 「こっ、これは……。」 「ひょっとこ?」 「ひょっとこ…ねぇ。それに…しても…ぷぷっ。」 「ふふっ。あははははは」 「メテオさん、おっかしー!あはははは」  皆、メテオさんのひょっとこ顔を見て笑ってしまいました。笑っている4人はいいのですが、笑われるメテオさんは最悪でした。当然怒ります。 「むー!むうううううう!むむー!!(もー!何笑ってるのよったら笑ってるのよ!…あれ、声が、声が!)」  しかし、そんな口でキチンと発音できるはずもなく、誰も彼女が言った事を正確に聞き取る事はできませんでした。 そしてさらに悪い事に、その必死のしゃべりが、その笑いを助長してしまい、4人はさらに笑ってしまいました。 それから5分ぐらいしたあと。ようやくメテオさんの口は治りました。メテオさんは精神的に疲れて床にぐてーっと倒れてしまいます。 ようやく笑いから解放され、そんなメテオさんの様子を見た沙也加ママは、 「あはは…ご、ごめんなさい。どうする?やめる?なんかかわいそうだし…。」  沙也加ママはそうメテオさんに言いました。しかし、メテオさんはやめるどころか、元気を取り戻し立ち上がると、 「だ、誰が終わらせるもんですか!やってやるわ!やってやるったらやってやるわ!ほら、次、つぎッ!」  意地を張って、次、次、とまくしたてました。そんなメテオさんに、唯一事実を知るコメットさんが気遣いの一言をかけます。 「え!?だ、大丈夫なのメテオさん。」 「大丈夫に決まっているじゃない!いいから、つぎ!つぎったら次よ!」 「わ、分かったわ…。えっと…『鶴さん亀さん こっちにおいで』。」 「と、とったあ! …ぎぃやあああああああああ!」   「め、メテオさん…!」 「だ、大丈夫ったら大丈夫!次、次ッ!」 「え、えぇ。『たくさん食べたいな おせち料理』。」 「とったあ! …ひいいいいいいい!!」 「うわあ!メテオさんがおせち料理の箱の下敷きに!」 「なんでおせち料理の『箱』なの!?」  下敷きになったメテオさんは、おせち料理の箱をかきわけて這い出ると、皆に続けるよう促します。 「ま、まだまだぁ!次、次ィ!!」 「え、えぇ…。『やめようよ おもちの一気喰い』。」 「はいッ!   …う、うげぇえ!!つまるつまる!のどにつまるぅううううううう!!!!!」 「つ…次ッ!」 「えっと、『みんなであそぼう 雪合戦』。」 「はいっ!…げふっ!!」 「うわあ!どこからともなく雪玉が!」 「ま、まだまだぁ…次!」 「え、えぇと………。『まけちゃった 羽根つきでまけちゃった』。」 「はいっ! …きゃ、きゃあああ!わ、わたくしの顔に墨がぁあああああ」 「ひゃああ!だ、大丈夫だよメテオさん!墨ならちゃんと洗えば取れるから。」 「…ちょっと時間かかるけどね。」 「ひぃ…ひぃ…つ…ぎ……!!」 「え。えぇっと…『うしろ髪 自分で切った 秋の午後』。」 「うらあぁ! …い、いやああああああああ!やめて、やめて、やめてぇええ!!わたくしの髪が!髪が!髪があああああ」
 それからどれくらい時間が経ったでしょうか。藤吉家の前に一台の古く、高そうな車が止まりました。 幸次郎さnが車から出て、藤吉家のインターホンを鳴らします。その音が家の中に鳴り響いて少しした後、”はいはーい”という声と共に 誰かがどたどたと走ってくる音が聞こえ、引き戸をがーっと開けます。中から出てきたのは沙也加ママでした。 「は、はい…あら?あなたは…。」 「あ、私…メテオの父の幸次郎です。そちらにメテオがいるとの連絡があったものですから…。」 「あぁ、メテオさんのお父様ですか?分かりました。今メテオさんを呼んで来ますね。」  沙也加ママはそういうと、引き戸を閉めてリビングの方へと向かいました。少しした後、彼女はメテオさんを連れて戻ってきました。 今度は遊んでいたツヨシくんネネちゃん、それにコメットさんも一緒です。 「あ、あぁ…幸次郎お父様…わざわざ…迎えに来てくださったの?はぁはぁ」 「あぁそうだよメテオ。遊びに行くのはいいけど、そういうときはちゃんと私達に言って…ん?」  そこまで言いかけたところで、幸次郎はメテオさんが何か異常な状態になっているのに気づきました。 彼女は室内にいたというのに息切れしており、綺麗な外着の服は少し傷がついているし、 心なしかメテオさんの後ろ髪は2、3cmほど短くなっているように見えたからです。不思議に思った幸次郎は沙也加ママに聞きます。 「あの…そちらで何をしていらっしゃったので?」 「カルタです!」 「カルタ。」 「うん、カルタだよ。」 「…カルタ…です。たぶん。」  皆、口を揃えてカルタと言いました。幸次郎はその後メテオさんにも問います。 「メテオや…何をやっていたんだい?」 「か……カルタ…。カルタったらカルタよ。それ以上でもそれ以下でもないわ、お父様…。」  メテオさんは多少言いよどみつつそう答えました。幸次郎さんは首を傾げますが、とりあえず、 「えっと…まぁ、なんだか色々あったようですが、どうも、ありがとうございました。」 「えぇ、こちらこそ。もしよかったらまたいらしてください。」  幸次郎は軽く会釈してお礼を言いましたが、沙也加ママは今までの事で気が立っているのか、多少とげのある口調で返しました。 幸次郎さんはふらふらのメテオさんを抱きかかえると、車の方へ向かい、もう一度沙也加ママの方へと会釈しました。 「さて、それでは…。」 「…メテオさん!」  彼はメテオさんを後部座席に乗せて車に乗ろうとしましたが、コメットさんが呼び止めてきたので一旦ドアの前で止まりました。 「…………なに?」  メテオさんは後部座席でぐったりしていましたが、よろよろと体を起こして彼女の応答に答えます。 「だいじょうぶ?結局そんなになっちゃったけど…。」 「大丈夫…に決まってるじゃない。…もともとわたくしが自分でまいた種だもの、しょうがないわ。 それよりも、わたくしが42、あなたたち全員のを合計しても8。わたくしの勝ち…ね。」 「そ、そう…だね。うん…じゃ、じゃあ…ね。」  満身創痍になりながらも、勝負の事しか頭になかったメテオさんに、コメットさんは尊敬の念と少しの呆れ感を抱きました。 コメットさんがじゃあねと言い、後ろを向いたあと、メテオさんはコメットさんに聞こえるかどうか分からないぐらいの声でつぶやきます。 「たのし…かった。」 「??」  ぶろろろろー。車はメテオさんを乗せて走り去ってゆきました。メテオさんは車の中で、 「くぅ…わたくしとしたことが…次こそは…つぎ…こ。」  と、ぼそっとつぶやいていました。それを見送った後、コメットさんは小さな声でぼそりとつぶやきました。 「なんだったんだろう、今日のメテオさん…。」  その問いの答えは、おそらく出る事はないでしょう。少なくとも、来年のお正月までは。
新年一発目の小説。実は大晦日に別の小説を書き上げる目的で、内容もこんなドタバタではなく、ケーコメ色の強い話でした。 しかし、いつまで経っても出来上がらない上に、正月どころか三が日も成人の日も過ぎてしまったので、 急遽お正月のネタで何かやろうと思い立ち、書いたのがこれです。  正直書くのに割ける時間があまりなかったので出来は微妙ですね。特に終盤は自分自身でもどうしていいか分からず飽和状態になっています。 あんまりこんなことは言いたくないし、したくもありませんが、こういったものはちゃんとした構想の上にやらないとまずいですね。 ホント、ここんとこゲームしかしてなかったから……(ry と、口を開けば不評しかない今回の作品ですが、唯一ケースケと景太朗パパのアレの箇所だけは、 描写、動き、セリフ共にものすごく気に入ってます。正直子のネタを思いつかなかったらこれは完成しなかったでしょう。  …ってなわけで、前途多難ではございますが、今年もよろしくお願いいたします。
おいてあるばしょにもどりますです
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