メテオさんの家で、留子さんが作ってくれたお昼ごはんをいただいたコメットさん☆は、それでもケースケのことが心配でした。
もしかして、狂った時計の針は、戻せないの?…。 そんな思いが、こころの中をよぎります。 メテオさんが、そんなコメットさん☆の横顔を見て、言いました。 「コメット、カリカリ坊やのことを考えているんでしょ?」 「メテオさん…」 「あの子はどうしてあんなに話も通じないような相手にも、むかっていってしまうのかしらね。それが直らないようじゃ、やっぱりただの鈍感坊やということになっちゃうわったら、なっちゃうわ」 「メテオさん!。…そんなの違うよ…」 コメットさん☆は、大きな声で、メテオさんを制しました。 「…な、なんで違うのよ。だってあなたのことなんて、眼中にないのよ?。そんなやつになんで?」 「鈍感だなんて…。そんな言い方ないよ…」 「鈍感を鈍感と言って、何が悪いの?。あなたのことを放り出して、おばんのお相手。ちゃんちゃらおかしいわ。オホホホホ…」 「私帰る」 「え!?、ちょっ、ちょっとコメット?」 コメットさん☆は、悲しい気持ちでメテオさんの家をあとにするのでした。そして家に帰ると、玄関をうつむき加減でくぐりました。 「ただいま…」 「おかえり。…あれ、コメットさん☆どうしたんだい?。元気ないねぇ。ケースケとケンカでもしたかい?」 景太朗パパさんが、思いもかけないようなことを言います。 「パパさん…。どうしてわかるんですか…」 「え?、本当かい?。いや、冗談で言ったつもりだったんだけど…」 それを聞くと、コメットさん☆は、静かに涙をこぼし、いつかそれはしゃくりあげるような声になってしまいました。 「わわわ! い、いきなりどうしたんだいコメットさん!?」 突然泣き出すコメットさんを見て。景太朗パパはかなり動揺しているようです。 「あっ、パパがコメットさんなかしたー!」 「パパひどーい!」 「え、いやちょっ・・、ちがっ・・」 「なーかした、なぁーかした! コメットさんをなーかしたー!」 間の悪い事に、さらにツヨネネにコメットさんを泣かしたと思われ、景太朗パパはさらに動揺してしまいまた・・。 「ち、ちがうの・・、ふたりとも・・。わ、私は・・」 「ただいま〜」 「あ、ママだ!」 「おかえりママ!」 「・・?アラ、どうしたのコメットさん・・?」 「あのね〜、パパがコメットさん泣かしたんだよ〜。 ツヨシ君見たもん」 「ネネも見たもん!」 「なっ・・、何やってるのパパ!」 「だ、だから違・・・!」 ・・さらに間の悪い事に、ママまで帰ってきて怒るので、 景太朗パパはかなり落ち込んでしまいました・・。 そしてその間、コメットさんはママさんに色々と説明し始めました・・。 「そう・・。ならアナタがしなきゃならないことは一つね」 「・・・・?」 「ケースケの所に行って、謝りに行ってあげなさい」 「・・・・! で、でも・・、もう会ってくれないかも」 「ふふふ。 あれでケースケ、意外と優しい所があるのよ。あぁいう性格だから自分からは謝らないだろうけど、 行ってあげればちゃんと謝ってくれるはずよ」 「は、はい・・・」 ピンポーン・・・ 「・・?。あ、ちょっと待ってね。 はーい・・」 (・・ケースケに・・、なんて言えばいいんだろう・・・。) コメットさんはママさんが離れた後、 その事ばかりを考えていました。・・そして・・。 「コメットさん!コメットさん! ケースケよ!」 「へ!? ケースケ・・!?」 「はぁ・・・、はぁ・・、はぁ・・・!」 コメットさん☆が玄関に、おそるおそる出てみると、息を切らせたケースケが、少し青ざめたような顔でたっていました。 沙也加ママさんは、心配そうな顔で、ケースケとコメットさん☆の顔をかわるがわる見ました。 「コメット…、オレ…メテオがあんまりなこと言うから…」 「ケースケ…」 「…お前の本心がどうかなぁって…。…それを、確かめに来た!」 ケースケは、最後のところで少し大きい声を出しました。 「私の本心…?。それってどういうことを聞いているの?、ケースケ…。私が止めたのにおばさんに意見にしに行くケースケのことを、本当はどう思っているか…、そんなことを聞きに来たの…?。…ぐすっ……」 再びコメットさん☆は泣き出してしまいました。景太朗パパさんが言います。 「おい、ケースケ、ちょっと上がってこっちに来い」 コメットさん☆は、その声を聞いて、どきっとしました。いままで聞いたこともないほど、景太朗パパさんの声は、低く怖い感じのするものでしたから…。 ケースケは、無言で視線を落とすと、靴を脱いで景太朗パパさんの言葉に従いました。景太朗パパさんは、口をぎゅっと結んだ顔で、ケースケの前を歩き、応接間に入ってしまいました。 コメットさん☆は、心配そうな目を沙也加ママさんに向けました。 「ママさん…、私…」 「大丈夫よ…。でもまあ、なんであんな下手な言いかたするのかしらねぇ…。あれで謝りに来たつもりよ、ケースケは」 「…そうですか」 コメットさん☆はまた涙をこぼしました。 応接間に入った景太朗パパは、ケースケに向かって声を荒げてこう言いました。 「このバカ野郎! あれが人様に謝る態度か!?」 「う・・」 「確かに、お前の気持ちも分かるさ。 気の強い女の子に怒られてすぐいやな気持ちになったんだろう?」 「・・・・」 景太朗パパに何もかも見透かされたので、ケースケは一言も反論できず、ただ唇をぶるぶる震わせていました。 「・・でもなぁ、コメットさんはあんな事を望んでいるわけじゃないんだ。・・分かるな?」 「な、何を・・・?」 「誠意だよ、誠意。お前・・・、コメットさんに謝りに来たんだろ?。だったらさっさと謝ってしまえ」 「師匠! ・・で、でも・・」 「・・お前の言いたい事も分からなくはない。でもな、男と女ってもんはよ、仲が上手くいかなくなった時は男のほうから女の子に合わせてやるもんなのさ」 「オレの方から・・、アイツに合わせる?」 「あぁ・・。お前なら出来るだろ?。さ、話はもう終わりだ。さっさと謝ってスッキリしちゃえよ」 「は、はい・・・。」 「あ、そうだケースケ。コレ持ってけ」 「・・・コレは?」 「後で一緒にメシでも食ってこいよ。・・な」 「・・はい」 ・・・応接間に入ってから10分後。 「・・アラ、ようやくケースケが出てきたみたいよ・・」 「ケースケ・・」 ケースケは、ややうつむいた表情で、コメットさん☆を見上げるように見ると、視線をそらしました。そしてつぶやくように…。 「…ごめん。…お、オレが悪かった。…つい、頭に血が昇って…」 「…いい、もういいよ…」 コメットさん☆はまた泣いてしまいました。でも、自分がどうして泣いているのか、わからなくなってしまっていたのです。そして足早に2階に上がっていってしまいました。 その様子を廊下の向こうで見ていた景太朗パパさんが、ゆっくりと歩いてきて言いました。 「ケースケ、…まあ仕方ないな。もう少し待ってみろ。きっと時間が解決してくれるさ。…それは持っていろ。それで時が来たら、またさそってみろよ。ぼくももう少し様子を見て、コメットさん☆に声をかけておく」 「師匠、すみません…。オレのことでこんなことになって」 「ぼくに謝るより、一番気分を害しているのはだれか?。それを考えてみろ。…そうしないと、ただの鈍感バカになってしまうぞ」 「…は、はい」 ケースケはここでも「鈍感」という言葉が、自分に向けられたことに、気が重くなりました。 沙也加ママさんは、二階にそっと上がって行きました。コメットさん☆は、開け放しの自室の扉の向こう、ベッドの上に座って、ぼうっと窓の外を見ていました。 「コメットさん☆。…そんなに泣いていると、せっかくのかわいいいつもの笑顔が台無しよ。…でも、女の子には、女の子の気持ちがあるのよねぇ」 「沙也加ママさん…。…私、どうしていいのかわからなくなっちゃって…」 「まあ、少し互いに冷却期間をおくことよ。そうして気持ちを整理しないと、見えるものも見えなくなっちゃうわ」 「…はい」 「もう一度、ケースケはちゃんと謝りに来ると思うわ。その時にまだ気持ちに整理がついていなかったら、ケースケのどこが気に入らなかったのか、ちゃんと説明してやればいいのよ」 「…はい」 「さあ、もう涙をふいて、下に降りて、紅茶でも飲みましょ」 沙也加ママさんは、窓の外をちらりと見て、ケースケが振り返りながら、坂を下りて帰っていくのを見計らって言いました。 それから数日が経ちました・・。 双方共に気持ちには整理はついたのですが、どちらもあと一歩が踏み出せず、どこかで顔を合わせても簡単なあいさつとやり取りだけで済ませてばかりのようです。 そんな状況を見かねた景太朗パパはある日ケースケを呼びつけ、こう言いました。 「ふぅ・・、お前はぜんっぜん成長しないのな」 「・・・?。え・・・・」 「あのなぁ〜・・、もう気持ちの整理はついたんだろう?。だったらさっさと謝ってあげればいいじゃないか!」 「そ、そう言われても・・・!。あっちがどう思ってるか・・・・・・」 「・・・下手な事を言ってコメットさんを悲しませるのがイヤ・・、ってことか?」 「・・・・・・。 !? ちょっ・・!」 その瞬間、景太朗パパはケースケの額に思いっきりデコピンをしました。痛くはなさそうでしたが、ケースケは突然の出来事に、動揺を隠せないようです。 「な・・、なんなんスか!?いきなりデコピンなんて!」 「・・まったく・・、ホントバカだな、お前」 「・・・・・・!?」 「・・お前はどう思ってるんだ?。あの日の事」 「・・・あ、アレは・・、オレが悪かった・・です」 「そうか・・・」 「でも・・・、それがなんなんスか・・・?」 「いいんじゃないか、それで」 「・・・・?」 「それでいいのさ。お前が悪いと思って反省してるんだろ?だったらそれでいいじゃないか。コメットさんに気を遣う事がどこにある。お前はお前らしく、いつものようにしてればいいんだよ」 「そ、そうですか・・・・?」 「あぁ。・・コメットさんだって・・、もう気にしていないさ」 「・・・・・・」 「景太朗パパさん、お茶が入り・・・」 そんな中、突然コメットさんが景太朗パパの部屋に入ってきました。 「・・・・あっ・・。」 「・・け、けーすけ・・・・」 「・・・あ、ご、ゴメン!ちょ、ちょっとトイレに言ってくるわ!そ、それじゃあ!!」 「え・・!?あっ、ちょっと!!」 これはチャンスだと思った景太朗パパは、席を外して二人っきりにすることにしました・・。 「・・・・・・・」 「・・・・・」 しかし、やはり二人は何もしゃべることが出来ず、場はとても重々しい雰囲気に包まれました・・。 しかし、このまま終わらせてはいけない、と思ったのでしょう・・、ケースケは少しか細い声で、コメットさんに話しかけました。 「・・・な、なぁ・・・」 「・・、な、なぁに、ケースケ・・・?」 「・・・ら、ラーメン・・、食べに行かないか・・?」 「ら、らーめん・・・・?」 「…こないだは、ゴメン。オレが悪かった…」 「ケースケ…」 ケースケは、普段に似合わない小さな声で言いました。それに対して、コメットさん☆は、少しうつむいて答えます。 「…私、ケースケがキライになったわけじゃない。…でも、あんな大きな声を出したり、おばさんに突っかかっていくケースケは…キライ…かも」 「……」 ケースケはそれを聞くと、黙ってしまいました。しばらく気まずい空気が流れていましたが、それを破るように、ケースケは口を開きました。 「…わかった。…オレ、気をつけるよ」 「…うん」 「こ、こ、こんどさ…、ま、また、あらためて、どこか、ラーメン食いに、いい、行かないか?。もう少し…、おお、落ち着いて食えるとこ」 コメットさん☆は、ようやく少し微笑んで、答えました。 「…うん、いいね。行こ」 ケースケは、ほっとしたような顔をして、言いました。 「…材木座にいい店があるらしい。そこなんか…」 「いいよ、ケースケにおまかせする」 そして、その日のお昼、二人は電車で材木座に向かいました。
(う・・、そりゃ考えすぎか・・・) 「それで、ケースケは決まったの?」
どうやら今日は・・いつも以上に仲良くなれそうですね。 |
イマジンカイザーの一言 いや〜・・、他の方と小説を書くと、いつもとはまた違った楽しみがあるものですね〜・・。 時にはすぎたまさんの書いたストーリーに合わせてネタを考えたり、時にはメールでいろいろと練ったりと〜・・。 そのおかげで、僕もすこしはスキルアップしたかと思います(笑)。つか最初はもっと面白い話を書こうと考えてたのですが、 流れでいつの間にか、ちょっとコメットさん本編に近くなっちゃいました。でもこれもリレー小説のいいところ。 また機会があったら一緒にやりましょう<すぎたまさん。まあ、なんつーか、ケーコメですねこれは(笑)。もう少し緊迫感を出したかったのですが、二人の間には(苦笑)。面白いなと思ったのは、やはりイマジンカイザーさんの感覚とは、 そうとうな隔たりがあって、話の方向性がどうなるか、まるっきり予想がつかないことでしょうか。それで結構「こんなふうに…」と思っていたのが、 大きく方向転換を余儀なくされることがたくさんあって、かえって楽しかったです。ぜひまた、違うテーマでも書いてみたいですね>イマジンカイザーさん。 すぎたまの一言
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