・・昼食を食べ終わった後、ケースケは景太朗パパからもらった時刻表をにらみつけていました。
「ハァ〜・・。まさか江ノ電が関係してくるなんて思っても見なかった・・。・・今からは江ノ電の時刻も計算に入れて練習しないとダメらしいな・・。」
「・・ケースケ。どうしたのそんな怖い顔して。・・さ、早く特訓特訓!」
「・・江ノ電の時刻表見てた。」
 少し頭にきてるのか、ケースケはそっけない態度で答えました。
「・・いつものケースケじゃないね。いつもなら・・」
「・・そう言うがな〜・・ただ走ったり泳いだりしたって、江ノ電の時間のこともある。・・しっかりと計画組んどかねーと勝つことなんて、出来やしねーよ。」
「・・そこがケースケらしくない。ケースケならこういう場合は考えるよりも先に行動でしょ?何度も練習しようよ!・・時間はまだまだあるんだし。」
「・・それもそうだな。確かに。作戦だけ立てるってのもオレらしくねーし・・!・・とりあえず行動だけしてみるか!」
「・・うんっ!それでこそケースケ。・・よーし!わたしもいっしょにやる。」
「え・・!? お、お前も、か・・?」
 ケースケはそれを聞いてまたまた赤くなりました。
 早速二人はコースのルール通りに泳ぎ、そのまま江ノ電に乗る練習を始めました。・・ケースケは長年の特訓の成果もあり、なんとか泳ぎきれましたが、コメットさんは本来バタ足程度しかできませんので、大体1キロぐらいのところでへばってしまいました・・。
「・・・ん。 お〜い・・、大丈夫か・・。」
「う、うぅ・・わたし・・もうダメ・・。」
「・・バーカ。だから止めろっていったのに。」
「う、うん・・。で、でも・・1キロも泳げたんだよ!?・・頑張ればもっと行けると思うから・・。」
「・・そうかい。・・とりあえず本当にダメになったら言えよ。・・助けるのも大変だからさ。」
「う・・、うん。」
 ・・とりあえず二人とも泳ぎきり、パーカーとジャージに着替えてそのまま駅まで走ってみました。・・駅に着くと丁度電車が通過した所でした。一番ダメなタイミングだったようです。
「・・今通過しちまったか・・。ってことは、もっと早く行かねーと、ダメ・・ってことか。」
「・・フウ・・フウ・・フゥ・・。ケースケ・・よくそんなに普通に話せるね・・。」
「・・お前とは根本的に体のつくりが違うんだ。(それにバタ足だけで一`弱も泳げた方がすごいと思うが・・。)・・まぁ時間はまだまだある。それまでにもっと鍛えておくんだな。・・当日はこんなもんじゃすまねーぜ。」
「うぅ・・。」
 コメットさんは肉体も精神も完全に疲れ果ててしまったようです。
「しかし、オレ達と同じような事する人って大勢いるもんだな〜。・・ほら見ろよアレ。」
 疲れてて気づきませんでしたが、レースの練習のために駅のホームにいる人はこの二人だけではなかったようです。・・・・例えばこんな人も・・。
「う〜ん・・けっこう時間くっちゃったな〜。もっと早く泳がなくっちゃ。」
「・・あ!明日香さん!大会に出るんですか?明日香さんも。」
「あ、コメットさん。 ・・えぇ、私も出るの。・・だって面白そうじゃない。・・でしょ?」
「えぇ。そうですね。この”コスプレ”して泳ぐとかっていうのとか。」
「でしょ〜?・・私は一応花村先生に頼んであるんだ。・・衣装。」
「うわぁ、それは楽しみですね〜。」
「ふふっ・・、じゃ、またね。」
「はーい☆」

「おい・・、今の人・・・知り合いか?」
「うん。・・バトンクラブの明日香さん。彼女も出るんだって。」
「ふぅ〜ん・・、何の話してたんだ?」
「・・コスプレの衣装の話。」
「こすぷれの衣装ねぇ〜・・ あッ!!」
 ケースケは突然大事な事に気がつきました。・・そう、”コスプレ用の衣装”の事です・・!
 ・・二人はいったん藤吉家に戻ってコスプレの衣装の事について相談する事にしました。しかし、時を同じくして・・。
「な〜、ママ・・ 僕ようの衣装を作っ・・」
「ダメ!・・そんな恥さらしなマネには手を貸せません!・・それに商品を仕入れるだけでも手一杯なのにそんな事に時間をかけてる暇なんてありません。」
「うぅう・・。」

「師匠ー! オレ、大事な事に気づいてませんでした!どうしましょう・・!」
「・・よぉケースケ。 ・・衣装の話だろ?・・ものの見事に断られたよ。まったくママったら、頭が固いんだから・・。」
「・・なんか言ったかしらパパ?」
「あ!い、いえっ! 何でもございませんっ!!」

「・・こっちはこっちでダメだったか・・。」
「・・ねぇケースケ、景太朗パパ。・・じゃあわたしがその衣装、作ってあげようか?」
「・・オ、オレはいいよ!別に・・」
「ぼ、僕は〜・・ じゃあ頼んじゃおうかな・・。お願いできるかな、コメットさん。」
「えぇ。・・わたしが作るのでよければ。じゃあデザインを決めないと・・」
 ・・するとその時、突然電話がかかってきました。
「あーごめーん。・・パパ、今手が離せないから電話に出てくれない〜?」
「・・あ、あぁ。 ・・はい藤吉です〜。・・あ、柊さんですか?お久しぶりです〜。」

「・・あ、ちょっと・・。まいっか。
・・パパのデザインは後で聞けばいいことだし。」

「・・ケースケにーちゃん、ケースケにーちゃん・・。」
 突然ツヨシ君がケースケに向かって手招きしました。
「・・・? あ、なんだお前か。 何の用だ?」
「・・ケースケにーちゃん、衣装でこまってるんでしょ?・・ツヨシくん、いいのを知ってるよ。」
「・・はぁ? 何だよ、それ。」
「はいっ、コレ!」
 ツヨシ君が出したのはよくある戦隊ヒーローもの雑誌のトピックでした。
「ほらっ。これ、これ。」
「・・なになに”美優亭風流戦士 スタイリッシュマン”・・!?な、何ッ!?」
「・・すっごくかっこいいんだよ〜。”戦う姿は優雅で華麗、洗練されたアクションでヒロインだけでなく、敵すらも魅了する超戦士・・”・・みぃーんな大好きなんだ〜。」
「・・あのなぁ〜・・。こんな恥ずかしいマネ、オレにできるはず・・」
「じゃあケースケにーちゃん、他になにかあるの?・・コスプレのいしょう。」
「・・だ、だけどなぁ、そうカンタンにこんなもの出来るはずが・・!」
「・・だいじょーぶ。コメットさんに任せれば全然へー気。すぐにヌイヌイしてくれるよ。」
「・・・・・・・・。考えとくよ。」

「・・聞きましたよ、どうやらコスプレ鉄人レースとやらに出場されるらしいですね〜。」
「いや〜あはは(何で知ってるんだろう・・?)。でも、今出られるかどうか大変な所なんですよ。なにしろ衣装の問題がありまして・・。」
「・・ ほう、衣装がなくて困っている、と?なーんだ藤吉さん!それならお任せください!・・以前ヒーローショーをやった時の衣装がここにあります。・・それでよろしかったらお貸ししますがどうしますか?」
「・・え、本当ですか!? よ、よろしくお願いします!」
 ・・景太朗パパはどうやらコメットさんの力を借りずに済みそうです。

「…どんなコスプレっていうのがいいと思う?ネネちゃん」
 コメットさん☆は、ネネちゃんに自分の部屋で尋ねていました。まだコメットさん☆の衣装だって、決まっていないのです。
「ええとね、いま学校で流行っているのがね、『魔法少女プリティーピンキー』っていうの。それがネネちゃんいい」
「…プリティー…ピンキー?。魔法少女?。それってなあに?」
「コメットさん☆そういうの知らないの?。テレビ見ないの?」
「うん。全然知らない。ネネちゃん教えて」
「いいよ。この本の…ええと、ほら、このページ見て」
「…これが、そのプリティーピンキーって言うの?」
「そうだよ。魔法の国のお姫さまで、宇宙の星から地球の緑を守るために、やってきたの。…って、コメットさん☆みたい」
「あはは…。私はそんな大きなことをしに来たんじゃないもの…」
「…それで、この女の子が変身すると、こっちのページの、プリティーピンキーになるの。コスチュームが、ピンク色ばっかりなの」
「…ふぅん。本当だ。ピンク色が多いね」
「コメットさん☆、この衣装でレースに出るといいよ!」
「ええっ!?、こ…これで!?。ちょっとコメットさん☆、恥ずかしいな…」
「だって、コメットさん☆どんな衣装考えていたの?」
「そ、…それは…、まだ考えてなかった。えへっ!」
「間に合わないよ?コメットさん☆」
「…そ、そうだね…。どうしよう…」
「あいまいみいちゃんも大ファンなの。だからみんなで応援するからぁ」
「そっか。じゃ、コメットさん☆がこのプリティーピンキーになればいいのね」
「うん。なってなって」

 5分ほど経って、コメットさん☆は「魔法少女・プリティーピンキー」に“変身”していました。縫いビトに衣装を作ってもらったのです。
「どう?ネネちゃん」
「うわーコメットさん☆そっくりー。本物のプリティーピンキーみたーい!!」
「そう?。どんなのかな?…わっ!」
 コメットさん☆は、自室の鏡の前に立って、自分の姿に驚きました。
 髪の毛は全く違う形、小さなエリの付いたピンクと白のブラウスのようなもの、そしてピンク色のスカートと短いブーツ。髪飾りも蛍光ピンク色です。
「本当は、それにステッキとペンダントを持つんだよ。コメットさん☆」
「……、す…、ステッキ持っては…泳げない…」
 コメットさん☆は、かなりな“打撃”を受けたようです。

 ・・一方こっち(ケースケ)はこっちで精神的に参っているようです。
「(・・こんな恥ずかしいカッコはいやだ・・!でも・・他に案は見つからないし・・!)う・・。」
「・・さぁどうするのケースケにぃちゃん・・。早くしないと・・・」
「・・う・・うぉおおおおっ!わ・・、分かった分かった!・・やるよ・・オレ。」
「わーい!! ・・じゃさっそくコメットさんに頼んでくる〜! コメットさ〜ん・・!」
「(・・とは言ったけど・・ホントにあんな恥ずかしいカッコをしなきゃいけねーのか、オレ・・。はぁあ・・なんでわざわざコスプレなんかしなきゃいけねーんだ・・!?)」
 ・・ケースケはさっきよりも更に落ち込んでしまいました・・。

「・・あれ、どしたのコメットさんそのカッコ。」
「・・あ、あぁ〜・・こ、この衣装着てやるんだ〜、わたし。・・どう?かわいい・・?」
「・・うんっ!コメットさんきれい!」
「何・・コメットがどうしたって・・ !?・・お、おい!お前・・まさか・・!」
「うん。・・かわいいでしょ。」
「・・・ホントにそんな格好で泳ぐのか・・!?」
 ・・ケースケは自分と同じおかしな服装で泳ぐ”同士”がいて安堵感を覚えたのと、同時にその奇抜な服装への不安感を込めて言いました。
「ま、まぁ・・ステッキは使わないけど〜。」
「いや・・問題はそこじゃないだろ?・・そんな格好して泳げるのかどうかって事だ。」
「むっ・・! でもケースケだって・・こんなに泳ぎにくそうな衣装選んでるじゃない!・・ツヨシ君が教えてくれたよ!」
「・・ぐ、ぐぐっ! ・・お、オレは普段から泳ぎ慣れてるんだ!・・少しぐらい平気だ!!」
「じゃあわたしのだっていいでしょ! もう、ケースケったら!」
「・・ううぐ・・ 分かったよ。・・衣装に文句つけても始まらないし・・な。」
「・・ううん、わたしもごめんね。・・とりあえずケースケの衣装・・作るから。」
 と二人の間で妙な空気になっている時・・こちらにも衣装に頭を悩ませる人物がいました・・。

「・・うぅん・・コスプレの評価を上げられそうな奇抜な衣装・・一体どんな風にすればいいんだ・・?」
「殿下・・。衣装のことよりも、練習をしたほうがよろしいのでは・・?」
 ・・さすが星国の方。・・恥ずかしさなどまったくなさそうな模様です。
 とりあえずこの二人は何かしらのヒントを得る為にコメットさんの家の近くにまで来ていました。
「・・う〜ん・・。これじゃあ上位入賞なんでできっこ・・ ん!?」
「・・や、やっぱいいよオレ!!」
「何言ってるのケースケ。 ・・他に頼む人いないんでしょ〜?・・大丈夫。ススッとヌイヌイするから。ね?」
「・・ぬ、ヌイヌイって・・どんなだよ?」

「・・・こ、これだー!」
「わっ・・!ど、どうしたのですか殿下!・・いきなり大声なんか出されて!」
「・・これだよこれ!・・ミラ、すぐにあのケースケってやつが着るっている衣装のキャラについて調べてくれないか!?」
「は、はぁ・・? そ、それってまさか・・」
「あぁ。・・まるっきりパクリってワケには行かないだろうが・・、コイツだ!・・これならいける!!」
 ・・なぜか王子もあっざりと衣装を決めてしまったようでした

「ケースケ!大変!。パパさんが…!」
「ど、どうした?」
 海で練習をしていたケースケのところに、コメットさん☆がやってきて、大声で言いました。
「早く、うちに来て!」
「し、師匠に何かあったのか!?」
「…ううん、何かあったってわけじゃないけど、…その、変な衣装を…」
「ああん?、変な…衣装?。…ってなんだよ、鉄人レースの話かよ…。しょーがねーな。今行くよ」

 それでもコメットさん☆といっしょに、急ぎ藤吉家に行ってみたケースケは…。
「し…、師匠…、それは…」
「うわっ、ケースケ!。こ、これはその…あの…」
「それって、なんのコスプレ…ですか…」
 ケースケは、めまいがしそうな感じを覚えましたが…。
「こ、これか、これは…、なんか、ややや、八ヶ岳ではやっている、『スーパースターズ』とかいうご当地ものスーパーヒーローの衣装だってさ」
「…そ、そんなものがどうしてここに?」
「いや、話すと長くなるんだけど、ぼくの知り合いが貸してくれてさ」
「…はあ。師匠、それで泳ぐってこと…ですか、やっぱり」
「あ、ああ、そういうことに…なるのかな?やっぱり」
「そ、そんな腹たるんだ衣装で…?」
「…なんか、サイズ合わないんだよ、これ」
 曇った顔をしていた沙也加ママさんが、口を開きました。
「もう、ほんとに生き恥晒しよ、これは。せめてサイズは合ってないと」
「…それなら、私がサイズを直します」
「コ、コメット?、お前がどうやって?」
「だって私、ケースケの衣装も作るんだよ」
「そりゃ、そういうことらしいけど…」
 沙也加ママさんが、再び口を開きました。
「話の腰を折るようで悪いけど…、みんなこれに気付いていたの?。『遠泳は、衣装を着たままになるので、危険ですから、背の立つところでしてください。また何度立っても、歩いてもかまいません。危険のないようにしてください。当日係員がご案内します』…ですって」
「ええ!?、ママそれどこに書いてあるの?」
「チラシの裏だけど…」
「沙也加ママさん本当ですか?」
「ほら、コメットさん☆」
「えー、師匠、もしかして、オレたち、スゲー無駄な練習していたってことですか?」
「そういうことらしいな…」
 コメットさん☆といっしょにチラシをのぞき込んでいた、景太朗パパさんが力無く言いました。
「あはっ、あははは…。もう、笑うしかありませんね…。でも、せっかくですから、衣装直しましょう」
「あ、ああ、いいけど、オレのは…?」
「ケースケのもいっしょに作るよ。じゃ、景太朗パパさんは、とりあえずそれを着たままで、ケースケは、そのままで、二人とも庭に立っていて」
「立っているだけでいいの?」
「立てって…、それだけか?」
 二人とも不思議そうな顔をしながら、庭に降りました。

「姫さま、どうするんだボ?」
 コメットさん☆は、2階の部屋に一度戻って、ラバボーの質問に答えました。
「もちろん、縫いビトさんを呼ぶんだよ」
「でも、縫いビトさんたちに、そのまま縫ってもらったら、ケースケとパパさんにわかってしまうボ」
「大丈夫、今日は寸法だけ採ってもらお。それであとで私の部屋で作ってもらったり、直してもらえば」
「なるほどだボ」
「縫いビトさんたち、来て!」
 コメットさん☆は、縫いビトたちを呼びました。
「またお呼びですの〜?ひめさま〜。」
 ヌイビト達はすぐさまコメットさんの前に駆けつけました。 
「うん。何度も呼び出しちゃってゴメンね。実は〜・・。」

「・・わかりました! ・・では早速行って来ますの〜!」
「・・よろしくね。・・くれぐれもばれないように。」
 ・・ヌイビトはそう言うと庭に立っている二人の所までやってきて、目にも止まらぬ早業で、二人の寸法を測ってしまいました。

「・・終わりましたの〜、ひめさま〜!」
「あ、もう終わったの? ・・じゃあ早速縫ってくれる?・・あ、景太朗パパのはサイズを寸法通りに整えてね。」
「さいですの〜。」
 ヌイビト達はまたしても目にも止まらぬ早業で、二人の衣装を作り上げてしまいました。
「できましたの〜。」
「うわ〜すごーい!・・さすがヌイビトさんだね!」
「ありがとうございますの〜。また何かあったお申し付けくださいの〜。」

「・・しかし、二つとも派手な服だボ〜。ケースケのは青くてV字のエンブレムがついたヘルメットと青色タイツに黄色のスカーフみたいなのだし、パパさんのだって結構そんな風の服だボ〜・・。」
「そ、そりゃそうでしょ、これってヒーローの服なんだからさ。・・それに〜・・インパクトだけだったらわたしのもあんまり負けてないような気がするんだけど・・。」
「た・・、確かに。」
 二人がそんな事を言っていると、窓の外から声がしました。
「・・おーい、コメットさーん!・・僕達はいつまでここにいればいいんだーい?」
「・・あ。二人のことマルッと忘れてた・・もういいでーす!・・出来ましたよ〜、二人とも。」
「・・!? も、もう出来たのか!?」
「いくらなんでも早すぎだろ!?」

 ・・それからスグ、コメットさんは二人に出来上がった衣装を見せてみました。景太朗パパは衣装を着てノリノリでしたが、ケースケはとっても恥ずかしそうな表情で衣装を眺めていました。・・あ、ちなみに沙也加ママさんは完全にあきれた表情でこっちを見つめていました。・・そして、こちらの方も・・。

「・・出来た・・出来ましたよ殿下ー!」
「・・出来た!?・・み、見せてくれッ!」
 ・・その衣装は、おおむねケースケのものと似ていました。ただ、全体的なカラーはブラック、ヘルメットにはエンブレムではなく二本の角。そしてなにより、背中には真っ黒な羽が生えていました。・・その姿は西洋の悪魔のようにも見えます。
「・・殿下〜、お言葉ですけど本当にこの衣装で参加するおつもりで?・・作ってみて何ですが殿下のイメージとはかけ離れてしまう感じがするんです〜・・。」
「・・そうか?・・オレ、スッゲー気に入ったぜ。 ありがとよ。」
「あ・・、ど、どうもいたしまして。・・で、でも〜・・」
「・・そうだ。なぁミラ。なんて言うんだ?・・この衣装の男の名前。」
「へ・・? えぇ〜っと・・”ブレードマスター・キャプテンブラッド”。・・ケースケさんが着るヒーローのライバル・・です。」
「へぇ〜(ライバル、か・・。)、ますます気に入った。・・さてと、衣装も決まった事だし、練習を再開するかぁ!」
「え・・!あ、ちょっ・・殿下ぁ・・!」
 ・・こうして双方衣装も出来上がり、これからさらに過酷な練習に入ることでしょう。・・大会まで残り・・ 2週間。

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