ゲームレビュー・第一回
記念すべき第一回は(記念すべき事でもないが)、ときたま雑記で口走ったりするゲーム、
メダロットについて。
1996年。社会現象を巻き起こしたあの「ポケットモンスター」が発売されました。口コミなどの情報を介して飛ぶように売れ、
それに目をつけた他のゲーム会社は、このポケモンを模倣したようなゲームを数々発表し、ゲーム市場には
「集めて、育てて、戦う」を合言葉にしたRPGゲームがあふれかえっていました。まさに「ポケモン模倣戦国時代」(何このネーミングセンス)。
確かそれから5年ほど続いたものだと記憶しています。
しかし、そのような模倣、二番煎じものがそうそうヒットするはずがありません。この時代に発表されたゲームのほとんどは、
まったく売れないままにコケて、歴史の闇に葬られてゆきました。
で、ようやく本題に入りますが、そんな模倣時代創世記1997年。イマジニア社制作のこのゲームは颯爽と現れました。
…このゲームには、他社で出回っていた模倣ゲームとは違う「何か」がありました。
このゲーム、模倣時代に生まれたRPGなだけあって、基本はやはり「集めて、育てて、戦う」にあります。
しかし、メダロットというゲームは、それだけではありませんでした。
このメダロットというゲームは…いや、まずメダロットとは、頭、右腕、左腕、脚部の四つのパーツを、
「ティンペット」という基本フレームに装着させ、脳にあたる知能を持った鉱物、メダルを装着させて完成するロボットなのです。
簡単に言えば、ロボットを製作する感じに近いものですね。
で、何が今までの模倣ゲーと違うかと言いますと、この”組む”と言うシステムのおかげで、幅広い戦略性があるのです。
一つずつ説明していくと、頭パーツは、威力は高いが、その分使用回数が限られていて、使い切ると戦闘中は使用できない、
右腕パーツは威力こそ弱いが、スピードが早く、先制攻撃しやすい、
左腕パーツは多少スピードに欠けるものの、威力の高い戦闘の主力武器。
脚部パーツはメダロットのタイプを決定するもの二脚、戦車、車両、潜水、飛行…などさまざま。
装備した脚部パーツによって、微妙に戦闘中の行動性効率や、移動スピードに変化を及ぼします。
そして、メダル。…これにはパーツとの相性があり、相性の良いパーツだと、威力も行動性効率も上がりますが、
逆に相性が悪ければ、成功率が低く、攻撃を失敗しやすいというデメリットも。
…とまぁ、このような事を考えながら、パーツ組み換えを行って、敵に合わせて装備を変える必要性があったわけです。
それから、戦闘システムも一風変わったもので、戦闘(ロボトル)に入ったら、自身のメダロットを選択し、
戦闘フィールドに入ります。そして、行動を選択すると、メダロットは、左端のラインに向かって走り出すのです。
…何故走り出すのかどうかはこの際置いておきましょう。それで、そのラインについたら行動。
行動が終了すると、今度は右のラインまで戻ってきて、戻ってきたらもう一回行動の選択…
これを繰り返し、敵リーダーの頭パーツが破壊されると負け。ポケモンほどではありませんが、結構分かりやすいシステム。
いや、ある意味「敵のリーダーの頭パーツを破壊すれば勝ち」というのは、
運がよければ、ポケモン以上に速攻、ということもありえるわけです。
攻撃方法も結構作りこまれていて、まず、射撃と格闘、というものが攻撃の主軸。
そしてその中でも色々な行動があり、射撃攻撃の「うつ、ねらいうち」、格闘攻撃の「なぐる、がむしゃら」。
これら攻撃にはリスクがあり、「うつ」は唯一何のリスクもない攻撃。「ねらいうち」は威力こそ高いものの、
行動終了後から次の行動まで攻撃の回避が出来ない。格闘の「なぐる」は攻撃のスピードが速く、回避も可能だが、
次の行動まで「防御(頭パーツを狙われやすくなる・大きなダメージを受ける)」が出来ない。
「がむしゃら」は、スピードも速く、威力もあって、破壊すると、他のパーツにも貫通ダメージを与える強力な攻撃だが、
そのリスクは大きく、次の行動まで「回避」も「防御」もできない。この状態でダメージを受ければ、頭パーツの大ダメージは必至。
さらに、攻撃属性だけで言うと、威力の高い「レーザー」、ヒットすると、移動中にダメージを与える「継続」、
防御の出来ないメダロットに大きなダメージを与える「重力」。
攻撃に限らないで言えば、ダメージの「回復」、敵の攻撃から味方を援護する「防御」などの行動があるのだが…
一々ここで書くと、書いているこっちの頭がパンクしそうなので、申し訳ないが割愛させていただきますが。
とにかく、このような多彩な攻撃・その他の行動を最大三体のメダロットを駆使しながら戦い、
敵の頭パーツを破壊すれば戦闘は終了。…ゲームシステムとしては非常に面白い、でしょう?
え〜…ここまで、独特で斬新なゲームシステムを紹介し、このゲームの良さを頑張って出来るだけ伝えようとしましたが、
実はこのゲーム、戦闘システム以外で褒める要素があまりにも少なすぎます。よって、ここからは悪い点を…。
まず最初の不満は、「圧倒的にシナリオが短い」こと。とりあえず比較対象としてポケモンを選びますが、
(これは筆者の主観なので、人によっては違うかもしれませんが)ポケモンの半分程度のボリュームしかありません。
しかし、これはしょうがない事なのかもしれません。そもそもこのゲームは、この時代のコミックボンボンに掲載されていた、
漫画版「メダロット」を元にしたゲーム(ゲームが原作の漫画なのかもしれませんが、明確な資料がないので良く分かりません。)で、
しかも、ゲームが発売された時点では、漫画の方が全然進んでいなかったのです。
ゲームも漫画も基本の本筋は同じなので、漫画の方でのネタバレを防ぐ意味合いだったのかもしれません。
あ、余談ですが、漫画の方もかなり面白いです。コミックボンボンのものなので、在庫は少ないかと思いますが、
古本屋などで見つけたら、一度手にとって読んでみるとよいかと。
まぁ、シナリオの短さはこの辺にしておきましょう。ぶっちゃけそんな事など大した問題ではないですので。
上記で「パーツを組み替え、戦う」のがこのゲームの醍醐味だ、とかそのような事を言っていたのですが、
このゲーム、使えるパーツはとにかく強く、使えないパーツはとにかく弱いです。
…こう書くと、そんなの、こういうタイプのゲームなら常識だろ?と思われるでしょう。なるほど、確かにそれはそうです。
しかし、このゲームの場合、それが顕著に出すぎているのです。
多少使えるパーツだと、大体装甲値(パーツの耐久力。なくなると破壊)は40〜50辺りが妥当なのですが、
(全然妥当じゃないですが、このゲームではこれでもかなり装甲の厚い部類。)
序盤に出てくる使えない部類のパーツに至っては大体10〜20が普通。こんな程度では軽い攻撃であっさり壊されてしまいます。
もうそれこそ、ニキビよりも簡単に潰れてしまいます。
いやまぁ、弱いパーツで装甲が低い、というのはある程度納得のいく答えだと言えます。しかし…。もっと極端な事を言うと、
使えるパーツでも装甲が薄いことは珍しくありません。
また、勘の良い読者様は、上記の戦闘システムの項を見たときにお気づきかもしれませんが、
このゲーム、腕パーツを全て破壊され、頭の使用回数がなくなると、何も出来なくなり、後は判定を待つしかない
…という致命的な弱点を秘めた戦闘システムでもあったりします。まぁ、メダの装甲がかなり薄いので、
大抵の場合このような事態に陥る前に戦闘は終了しますが。…何だよこのゲームバランス。
さらに、シナリオを進めていく際に起こる、ちょっとした寄り道イベントにも問題が。
このゲーム、シナリオの短さと反比例して、寄り道イベントが多数配置されてたりします。
上手くこなせば、強力なパーツ・メダルが入手できたり、新しい移動手段を取得できたりと。
しかしこの寄り道イベント、誰かに言われなきゃ気づかないくらい条件が異質です。普通にシナリオをこなしてたら絶対気づきません。
筆者も何度かプレイしているのですが、未だに全てのイベントをこなせません。ってか条件忘れました。
わざわざこんなに分かりにくい条件にする必要あったのかイマジニア社。
そして、未だに理解できないのですが、なぜラスボスのパーツを、(高額ながらも)中盤辺りで一式購入できる仕様になっているのでしょうか?
…まぁ、そもそも戦って強いわけでもないですし、ラスボスは戦ってもパーツを落とさない仕様になっていたからでしょうが。
…と、まぁ。ポケモンと同じ時期、他の模倣ゲーとは違う戦略で有名になったメダロット。
…しかし、ふたを開けてみれば、このような「完成しきってない状態」での市場に流れていってしまった悲しきゲーム。
はっきり言って、お勧めできる一品ではありません。しかし、その辺の部分を上手く改良した次回作以降では、
このゲームで語られた話の一部が伏線として登場するので、ちゃんと世界感を知りたい方はやっておく事に越した事はないです。
「オススメできないんなら、なんでレビュー書いたんだよ」と言われそうですが、2以降はとても面白いのです。それは保障できます。
なので、あえてこれを書きました。…2以降のレビューはいつか書きます。
○評価
シナリオ:★★☆☆☆(キャラの魅力はそこそこなのですが、演出などのたるさがかなりダメ…2点)
ボリューム:★☆☆☆☆(これに関してはもう…短い短い。…1点)
サウンド:★★☆☆☆(今後アレンジとして後作に残ることになった戦闘曲の元があると考えれば…2点)
ゲームバランス:★☆☆☆☆(全体的に短いので、必然的に難易度も低いです。隠しイベントを探しさえしなければ…1点)
○総合…1・5点。 まだまだ創世記の時代のものなので、もう少し甘めにつけても良かったかなー、と思いましたが、
やっぱりこれはひどい…という事であえてきつめの評定でつけました。
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